藤田宙靖元最高裁判事の講演「行政事件と最高裁判所」を聞いてきました

今日、大阪弁護士会の研修で、行政法学者であり元最高裁判事の藤田宙靖先生の講演「行政事件と最高裁判所」を聞いてきました。

私は司法試験受験の際、当時の選択科目として行政法を選んだのですが、行政法は茫漠としてとらえどころがなく、理解するのに非常に苦労していました。
そのとき、最後に読んだのが藤田先生の「行政法Ⅰ(総論)」清林書院でした。そこでは「法律→行政行為→強制行為という三段階構造モデル」という標準モデルが提示され、行政指導とか行政計画などといった標準モデルから外れるものについては、標準モデルからどのように乖離しているかという観点から整理されており、広いキャンパスに座標軸が据えらたようで、ようやく行政法が分かったように気になったものでした。

その藤田先生が講演に来られるということで、いそいそと参加してきたのです。講演の内容は全体から細部に至るまで極めて緻密に構成されており、藤田先生ならではという感じです。

お話しのあった内容から興味深いデータを紹介しますと、最高裁の年間の新受件数は約9000件、これが3つの小法廷に配分される、95パーセントは持ち回り審議事件で、残りの5%である150件ほどが重要な事件として審議されるとのことです。

このように最高裁は過酷な状況であり、最高裁への上告の濫用は制度を窒息させる、「無理な上告ないし上告受理申立ては、是非やめて頂きたい!」というのが最後のお言葉でした。

私自身は最高裁で4件の逆転勝訴判決をいただき、上告の濫用は慎んでいると思いますが、最高裁への上告については考えさせられる内容でした。