共有地の所有者の一人が境界確定の訴えを一人で起こせるか

   境界(公法上の意味でのもの)について争いがあるのであれば、筆界特定制度や境界確定の訴えを利用して、境界を確定することになります。このとき、境界の争いのある土地が、共有地である場合、所有者の一人は、境界確定の訴えを起こせるのでしょうか。共有者の一人が単独で訴訟をして境界を確定させることは、他の共有者にも重大な影響がありますし、共有物の処分として民法251条に反する恐れもあります。また、共有者ごとに境界の位置が異なる結果になるのも相当ではありません。

なお、土地の境界線の紛争に関して、当事務所が活動した場合の弁護士費用は土地の境界線の争いに関する弁護士費用(境界確定)のページをご覧ください。

1 固有必要的共同訴訟 

     共有地の境界が問題となっている場合、境界確定の訴えは、固有必要的共同訴訟とされています(最高裁昭和46年12月9日判決民集25巻9号1457頁)。固有必要的共同訴訟とは、数人が共同してはじめて訴訟提起・訴訟追行ができ、個別に訴え又は訴えられることはできず、全員に同時に同一の内容の判決がされなければいけないという訴訟形態です。

  したがって、隣接する土地の一方又は双方が共有地の場合、境界を確定する訴えは、共有者の全員を相手として訴えるまたは訴えられる必要があります。 

2 共有者の一人が境界確定の訴えを起こすのを嫌がっている場合どうするか

  共有者の一人が、境界確定の訴えを起こすのを嫌がることはありえます。その場合、境界確定の訴えを起こす方法がなかれば、他の共有者は困ってしまいます。このような場合、境界確定の訴えを起こすのを嫌がっているものを被告として、訴えを提起することができます。最高裁平成11年11月9日判決(民集53巻8号1421頁)も、境界確定の訴えの当事者の主張に拘束されずに裁判所が判断を下すという特殊性などを考慮して、訴訟に協力しないものを被告にするのを認めています。(弁護士中村友彦)