債権回収~平常時の債権管理
Q 売掛債権を確実に回収するためには、平常時からどのような対策を行っておけばよいのですか |
A 平常時から債権・債務の残高等の管理、債権証書等の管理、与信限度の設定、時効の管理などを行っておくことが重要です。
債権を確実に回収するためには、平常時からの管理が重要です。以下、平常時にどのような準備をしておくべきかご説明しましょう。
1 債権及び債務の残高、期日の管理
貴社の取引先に対する売掛金の残高を把握するとともに、支払期日もきちんと管理しておきましょう。支払期日に支払がなければ、速やかな対応が必要です。
また、貴社が取引先に対して債務を負っていれば、売掛金の支払いがないときに相殺することができますので、これも把握しておく必要があります。
2 債権証書、担保・保証に関する書類の管理
取引先毎に、基本契約書、担保・保証に関する書類を整理して管理し、緊急の際には直ちに取り出せるようにしておきましょう。
3 与信限度の設定・管理
売掛金が発生するということは、取引先に信用を供与するということです。支払期日が1ヶ月先なら1ヶ月分の、2ヶ月先なら2ヶ月分の売掛金が発生し、取引先が倒産でもしようものなら、1ヶ月分、2ヶ月分の売掛金が回収できなくなってしまうのです。したがって、「この取引先に販売する金額の上限は○○円とする」というように与信限度額を設定し、その限度額を超えないように管理する必要があるのです。
4 時効の管理
売掛金の支払がないまま放置すると消滅時効にかかって回収できなくなります。そこで、未回収の売掛金については、いつ消滅時効にかかるのか管理する必要があります。
債権の消滅時効は支払期限から5年です(民法166条1項)。この期間を超えて放置しないように注意してください。
(弁護士 井上元)
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