計算書類等の閲覧・謄本交付請求

経営に関与していない株主は、会社の経営状況を知りたいのに知ることができないことがあります。また、会社の債権者としては、会社財産のみが債権の引当てとなりますので、会社の経営状況については大いに関心のあるとことです。

このような、株主や債権者が、会社の経営状況を知るための制度として、計算書類等の閲覧・謄本交付請求の制度があります。

計算書類等の作成・備え置き

株式会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る①計算書類(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書および個別注記表)、②事業報告書、③附属明細書を作成し(会社法435条2項、会社計算規則59条1項)、定時株主総会の日の1週間(取締役会設置会社の場合には2週間)前の日から、各事業年度に係る計算書類及び事業報告ならびにこれらの附属明細書(監査役設置会社においては監査報告、会計監査人設置会社においては会計監査報告を含む)を5年間本店に、その写しを3年間支店に備え置かなければならないとされています(会社法442条1項1号、2項1号)。

閲覧・謄本交付請求

株主および債権者は、株式会社の営業時間内はいつでも、株式会社に対し、上記書類の閲覧の請求、謄本または抄本の交付の請求をすることができます(会社法442条3項)。

このように、計算書類等の保存期間内において、株主および債権者は、株式会社に対し、計算書類等の閲覧・謄本交付請求をすることができるのです。

また、株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、上記書類等について、閲覧・謄本交付請求をすることができるとされています(会社法442条4項、会社法378条3項、868条2項)。

会社が閲覧・謄本交付請求に応じない場合、株主および債権者は、計算書類等閲覧等請求訴訟を提起したり、仮処分の申し立てをすることができます。

ただし、会社が計算書類等を作成していない場合、会社に対して計算書類等の作成することまで請求することはできないと解されています(東京地裁平成27年7月13日判決・金融商事判例1480号51頁)。 

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