裁判への対応

当事務所の裁判対応の考え方~訴状が届いた!

会社を経営していたり事業を行っていると、紛争に巻き込まれることは避けられません。事前の話し合いにより解決できなければ、裁判を起こされ、裁判への対応を余儀なくされます。

売掛金請求の裁判、会社経営をめぐる裁判、不動産をめぐる裁判、各種損害賠償請求の裁判、従業員から提起される裁判・労働審判など、あらゆる問題が最終的には裁判手続により解決されることになります。

裁判対応で特に重要なのは、裁判の見通しをどれだけ正確に見通すことができるかという点です。

1.勝訴・敗訴の具体的見通しを立てること

「やってみなければ分かりません」ではだめです。勝訴と敗訴の確率が、8:2(ほぼ勝訴)なのか、5:5(この場合は「やってみなければ分かりません」となります)、2:8なのか(ほぼ敗訴)、具体的な見通しを立てることが重要です。これにより判決を得るのか、条件によっては和解するのか、なるべく和解に持ち込むのかなどの方針が異なってきます。

2.裁判に要する期間・労力の見通しを立てること

裁判に要する期間、会社が費やす労力などについての見通しを立てることも重要です。勝訴できる可能性が高いとしても、紛争の重大性と比較検討し、早期の和解を行うべきか、徹底的に闘うべきか検討する必要があります。

3.裁判の影響を分析すること

裁判が継続することによる、他の取引先や従業員などに対する影響も検討する必要もあります。

裁判官から言われるままに裁判を進行させるのではなく、これらの見通しを立てることにより、当事者が裁判を主体的に作り上げることが重要です。

裁判でよりよい解決をするためには、各法律分野についての知識・経験と裁判手続に関する知識・経験の両方が必要です。当事務所は、これまで、幅広い分野を取扱うとともに、裁判手続を重点的に取り扱ってきました。

裁判を起こされた場合、早期に当事務所にご相談いただければと思います。

訴訟対応の手順

1.訴状などの送達

裁判所から訴状等が入った封筒が送られてきます。封筒の中には、①第1回口頭弁論期日を指定した呼出状、②訴状などが入っています。

訴状に対する答弁書を提出せずに第1回口頭弁論期日に欠席すると、原告の主張を認めたことになりますので(擬制自白といいます)、かならず対応しなければなりません。

しかし、素人の方が答弁書を作成することは危険なので、訴状が届けば、直ちに、弁護士に相談されることをお勧めします。

2.弁護士との相談

訴状などが届けば、まず、弁護士の予約を取り、裁判所から送られてきた書類一式ととともに、関連資料を用意して、弁護士に相談してください。

当事務所では、具体的な状況をお聞きしたうえで、①勝訴・敗訴の可能性、②裁判に要する期間・労力、③裁判の影響などについての見通しを立て、ご説明します。

そのうえで、当事務所にご依頼いただく場合には、ご依頼事項、費用などを取り決めて委任契約書を作成します。

3.答弁書・準備書面の作成

弁護士に依頼される場合は、会社にて答弁書を作成するのではなく、弁護士が答弁書を作成します。第1回口頭弁論期日までに十分な反論を行う時間的な余裕がないときは、答弁書では請求の趣旨に対し「請求を棄却する」との答弁のみを行い、請求の原因に対する認否や反論は、次回以降に準備書面にて行うことになります。

当方の主張に対し、相手方が反論し、更に当方が再反論するという形で、双方が準備書面を提出します。この過程において、御社と弁護士が打ち合わせを行い、どのような主張を行うのか、どのような証拠を提出するのか協議します。

証拠提出については、第三者に対する文書送付嘱託、調査嘱託の手続がありますし、相手方が保有している証拠については文書提出命令の手続があります。裁判外における証拠収集手続としては弁護士照会もあります。これらの手続を駆使して立証していくわけです。

4.証言

双方の主張や書証の提出が尽くされれば、関係者が法廷で証言することになります。この場合、事前に、証言内容を文書にまとめた陳述書を作成して提出することになります。

相手方の証言に対しては反対尋問を行い、当方に有利な証言を引き出す努力します。

5.和解の勧告

民事裁判では、証言が終わった時点で、裁判所から和解の勧告が行われることが通例です。裁判所から判決内容についての心証が開示されることも多く、それをふまえて和解の話し合いが行われます。双方の折り合いがつけば和解成立となり、裁判所が和解調書を作成して最終解決となります。

和解できない場合、判決期日が指定され判決が下されます。

6.判決

判決で全部敗訴もしくは一部敗訴した当事者が判決内容に不服があれば、判決受領日の翌日から2週間以内に控訴することができます(1審が地方裁判所の場合の控訴審は高等裁判所)。

原告、被告の双方が控訴しなければ判決は確定します。

7.控訴審

控訴した当事者は控訴提起から50日以内に控訴理由書を提出し、1審判決の問題点を主張するとともに、追加の証拠があれば提出します。これに対し、被控訴人は反論の準備書面や追加の証拠があれば提出します。

控訴審では、多くの場合、第1回期日で終結し、必要な場合のみ証言が行われるのが通例です。

そして、多くの事案では裁判所から和解の勧告があり、折り合いがつけば和解成立となります。和解できない場合には判決が下されます。

8.上告審

高等裁判所の判決に対して不服があれば最高裁判所に上告もしくは上告受理の申立を行うことができます。しかし、上告審は、憲法違反や判例違反などを審査する法律審であり、事実認定については原則として判断しませんので、事実認定の争いが勝敗を分けるような事案では、高等裁判所の判断が覆されることはあまりありません。

弁護士費用

相談料 1時間当たり5,500円(税込)
ただし、当日、ご依頼いただく場合は相談料無料とさせていただきます。

着手金・報酬  費用のページをご覧ください。