債権の保全・回収

当事務所の考え方

回収なくして販売なし

「回収なくして販売なし」とは、いくら売上があがっても代金を回収できないと意味がないということです。

商品を販売しても、代金を回収しない限り現実に利益を得ることができません。帳簿上では売上が上がっても、代金を回収できないと損失が発生してしまうのです。最終的には黒字倒産ということにもなりかねません。

500万円の売掛金が回収できず、損失を被ってしまった。この損失を取り戻すためには、いくらの売上が必要なのでしょうか?

利益率を5%と仮定すると、なんと1億円の売上が必要です。

(計算式) 500万円÷0.05=1億円

営業マンは、兎に角、売上を上げることが重要と考えがちですが、回収できない損失を取り戻すことは大変です。

「回収できるものは絶対に回収する」という心構えが重要なのです。

ない袖は振れない

しかし、取引開始あるいは取引継続中にどれだけ注意しても不良債権が発生することを完全に避けることはできません。不良債権が発生することを危惧するあまり、取引に慎重になり過ぎれば、せっかくの商売の機会を逃してしまいます。

「1円もまけない」と言っても、倒産寸前の財産が全くない相手方から債権を回収することはできません。5割の回収でも、場合によっては1割の回収でも、回収できないよりはずっとましです。相手方の財産状況、商売継続の意思などを慎重に見極めて対応する必要があります。

また、債権回収の手続には費用もかかります。債権の金額、回収に必要な費用や労力など費用対効果を考慮して、どこまで回収作業をするのかも考える必要があります。

当事務所では、回収の見通し、手続に要する期間、労力、費用などにつき十分にご説明したうえで回収方法のご提案をさせていただきますので、いつでもご相談ください。

 

債権回収ロードマップ

債権回収のためには取引のどの段階で何をすべきか、弁護士には何時、何を依頼すべきか、債権回収ロードマップを作成しましたので参考にしてください。

債権回収ロードマップ
取引の段階実行すべきこと対応する人
取引開始時
  • 相手方の調査
  • 相手方の信用調査
  • 相手方の資産の把握
  • 基本契約書の作成
  • 個別取引の際の書面作成
  • 保証・担保の徴求
貴社にて対応
(当事務所と顧問契約を締結していただいた場合、顧問料の範囲内でご相談に応じます。)
平常時の債権管理
  • 債権債務残高・期日の管理
  • 債権証書・担保・保証に関する書類の一元管理
  • 与信限度の設定・管理
  • 時効の管理
貴社にて対応
(当事務所と顧問契約を締結していただいた場合、顧問料の範囲内でご相談に応じます。)
支払猶予要請時
  • 支払い見通しの確認
  • 出荷停止の検討
  • 保証・担保の徴求
  • 商品引揚の検討
  • 相殺
  • 手形を振り出してもらう
  • 公正証書作成
貴社にて対応
債務者からの支払が止まってしまった段階では回収率は大幅に低下します。万全の回収を図るためには、この段階で弁護士に相談されることをお勧めします。
支払停止時(1)【法的手続】
  • 貴社による請求書送付
  • 弁護士名による内容証明郵便の送付
  • 支払督促
  • 仮差押・仮処分
  • 訴訟
  • 少額訴訟
  • 民事調停
緊急事態です。回収のため、どのような手段をとることができるか弁護士とご相談されることをお勧めします。
法的手続には弁護士にご依頼いただく必要があります。ただし、この段階では回収可能性は低下していることが多いと思われますので費用対効果の検討が必要です。
支払停止時(2)【強制執行・担保権実行】
  • 不動産
  • 債権(預金、売掛金、請負代金、貸金、その他)
  • 動産
  • 電話加入権
  • ゴルフ会員権
  • 知的財産権
  • 自動車
どの財産に強制執行すれば効果があるのか、弁護士と十分に協議する必要があります。
回収不能時
  • 回収不能の金銭債権の貸し倒れ処理
税理士の先生とご相談のうえ処理してください。

 

債権回収の流れ

当事務所にご相談いただいた場合、下記のような流れで回収作業を行います。その際、回収の可能性、費用などについても十分にご説明します。

ご相談・ヒアリング

  ↓

調査および戦略立案

  ↓

回収方法の提案

  ↓

債権回収

 

解決事例

当事務所が行った債権回収の事例をご紹介しましょう。

  1. 債務者が相続した亡親の不動産から回収した事例
    債務者が亡親から不動産を相続したため、その不動産を仮差押して保全し、訴訟提起のうえ判決を得て、競売により全額回収しました。
     
  2. 現金を差押えた事例
    債務者はパチンコ店を経営しており、終了時間を見計らって店舗内の現金を差押え、全額回収しました。
     
  3. コンピュータを差押えた事例
    債務者の事務所内のコンピュータを差押え、債務者から返済を受けて全額回収しました。
     
  4. 債務者の売掛金を仮差押えた事例
    債務者の売掛金が判明していたため、これを差押えて回収しました。
     
  5. 譲渡担保権を実行した事例
    債務者から絵画を譲渡担保にとっており、この譲渡担保権を実行しました。